ストーリー
主人公の浦野すずは、突然の縁談に、良いも悪いも決められないまま軍港の街・呉で海軍軍法会議所に勤務する文官・北條周作の妻となる。戦時下で配給物資がだんだん減っていく中でも、すずは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日の暮らしを積み重ねていく。1945(昭和20)年3月、呉は空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずが大切にしていたものが徐々に失われていく。
そして、昭和20年の夏がやってくる。
これは、"この世界の片隅"で懸命に生きた一人の女性の記録である。
